アメリカ USA


アメリカは広い。
手つかずの土地が数十キロキロも続く。
地図に地名が乗っているので、そこで宿を取ろうと思って行っても、全く何も無く人家も、人っ子一人いない場所もある。

私はアメリカを端的に云えば、近代的な都市と地球の歴史をきざみこんでいる地帯【グランドキャニオンのような】の2点だと思う。

 

アメリカに最初に行った時は、1ドルが360円で200ドルしか両替え出来なかった.
当時の平均的サラリーマンの月給が1〜3万円の頃だ。
普通の人が、海外へ出られる状態ではなく、夢に過ぎなかった。

私が行けたのは、朝日新聞社の朝日広告写真賞を、受賞したからである。
自分一人だけで、考え、製作したので賞金を一人で使えたわけだ。
確か3〜40万円だったと思うが、月給の2年分に相当した。

これを基に海外撮影の夢が実現出来た。

ロサンゼルス空港に着き、税関で「何日滞在するか」聞かれ、こちらは旅行者でアメリカで金を使うお客さんだから、「滞在記期限いっぱいの90日間」と云うと喜ぶと思った が、とんでもない。

別室に連れて行かれ,罪人の様な取り調べですっかり腹が立った。
カナダからアメリカを、東西南北に縦断しメキシコまで行く約4万キロの自作の地図、予定表、多めの現金等を見せて「90日でも足りない」と云った。
入管の役人は大げさに手を広げ、「クレージー」と云い、びっくりした表情でOKを出した。

現在は1ドル80円前後で,隔世の感がある。
色々な事があったが、長くなるので少しずつ、書いていきたい。